ディーノ・ブッツァーティ『タタール人の砂漠』
書名: 『タタール人の砂漠』(岩波書店)
著者: ディーノ・ブッツァーティ
訳者: 脇功
読みながら “Failing to prepare is preparing to fail.” や “Life is what happens while you're busy making other plans.” という格言を思いだした。
期待を内に秘めて暮らしに埋没し、決断をずるずる先延ばしにするうちにも、月日は容赦なく過ぎ去っていく。待っていても確実にやってくるのは死だけであり、能動的な行動と「損切り」こそが大切だと痛感させられる。しかしそうは言ってもままならぬもので、やはり何かと逡巡してしまう。けれどもそうこうしていると手遅れになりかねない。耳が痛いし頭も痛い、と内なるドローゴが叫ぶ。
折にふれて読みたいような読みたくないような名作。