時間が時間なので、まだ薄暗く人通りはほとんどない。あかりのついた家から楽しげな歌声が聞こえてくるものの、耳をすまさずに通りすぎる。なだらかな坂をのぼりながら、出窓に大スフィンクスのごとく陣取る猫に目をやる。いつも同じ場所で同じ姿勢のまま微…
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